dimanche, juillet 02, 2006

Le temps tranquille, qui se passe devant nous.

『私たちの前に過ぎ行く静かなとき』

今朝起きると、W杯でフランスがブラジルに勝利したニュース。優勝最有力候補のブラジルとの対戦、決勝進出もギリギリの状態での我らが“Les bleus(青軍団)”だったから、勝利は難しいと思っていた。テレビのニュースで勝利を知り、「え~っ!! すごーい!」と思わず狂喜乱舞。昔はサッカーなんて全然興味なかったし、オリンピックとか見ても愛国心とか全然ない人だったのに、ものすごい変化だ。きっと私の中に宿る半分フランス人の血が騒いでいたのだろう。

午前中から父は母を病院へ連れて行くと言って出かけていった。途中、何度か連絡があり、近所の病院ではなく、名古屋市内(我が家は厳密には名古屋市内ではない)の耳鼻科にかかることになったという。もしかしたら、母も大きな病気を患っているのでは? と一抹の心配が募る。「私は大丈夫だから。お昼も適当になんとかやっとくし、お母さんをよろしくお願いね」と、犬とお留守番。

夕方、病院で点滴を打ってもらって、父と母が帰宅。とりあえず大きな病気ということではないらしく、やはり精神的なショックでめまい等がしていたようだ。いつもはとても気が強い母だけれど、やはり母もひとりの女性。私のせいで母をこんなにも悩ませてしまっていたことを今改めて知り、本当に申し訳ない気持ち。昨夜も父と話していたけれど、働きに出て昼間はほかのことを考えることのできる父や私とは違い、今は完全専業主婦な母はきっと一日中ひとり悶々といろんなことを考えて苦しんでいたのだろう。

父も私も「これからお母さんにいっぱい助けてもらわないといけないから、早く元気になってもらわないと」と、精一杯の気遣い。母も少し元気を取り戻し、私とも話すこともできるようになり、私が考えていること、彼のこと、彼の家族のことなどをできるだけ話した。

妊娠がわかってから、まだたったの1週間。この1週間は本当にもう1ヶ月ぶんぐらいには相当するぐらいの質量だ。私はもう「私の人生は私が生きていかなければ誰が生きていく?」というので、自分でも驚くほど早い段階で気持ちの切り替えがついてきている。でも母はそうじゃない。頭では理解できていても、なかなか心というのはそんなに早くは追いついていかないのだ。

夜はどこかに食事に行こうかという話になったけど、私のほうも時々具合が悪くなるし、出前のお寿司を取って自宅でゆっくりすることにした。

父の昇進と私の妊娠を祝って、家族で静かに食卓を囲む。

「いろいろと迷惑をかけますが、がんばりますのでどうか応援してください」

そう言って、両親に頭を下げた。
両親の前でこんなにも素直になれたのは、いったい何十年ぶりのことだろう。

我が家の愛犬・mignon(ミニョン。=仏語で“かわいい”の意)も、今日はたんまりと好物のちくわを食べさせてもらって満足そうだ。