Comme si c'est assez loin...
『こんなにも遠い……』
昨日自宅でたっぷり休養させてもらったおかげで、今日の体調はすこぶるよかった。昨日のぶんも挽回しなければならないので、いつもより早めに出社して、順調に仕事もこなしていく。そんなときは、気力がとてもみなぎっていて集中力も高まり、仕事の効率もよい。というか、今日は仕事によって、随分と私の精神力は支えられたと言っていい。
彼と昨日の続きを話すものの、話がまったく噛み合っていないことを実感。その間にある、言葉の壁、時間の壁というのは、日本-イスラエル間という物理的な距離の何倍も大きい。噛み合わない会話の数々に悲しみ以上に「あぁこんなにも遠いんだ」って、途方に暮れる気持ちのほうが強かった。
彼のほうは「なんで今まで気づかないんだ。あり得ない。一人の女性としてどうかと思う」とただ一方的に非難。えぇもちろん、それは事実、否定も反論もしないけれど、今それを言っても物事はなにも先へは進まないのだ。父親が医者で、27になってもいまだ両親から独立せずに常に親の加護を受け生きている彼には、信じられないことだろう。そして働き者でギリギリのところまで無理をしてでも責任を果たそうとする、日本人の美徳なんて、1年の1/3はバカンスのフランス人には理解できないだろう。
パパが遠いところに居て、胎内を出た後も一生父親に抱きしめてもらうことができないかもしれないジェダイのために、先週産院でもらった超音波の彼の写真とパパの写真を一緒に持ち歩いている。他人から見たらバカげた空事かもしれないけれど、今の私にはそれぐらいのことしかしてあげられない。
書くのを忘れたけれど、こないだ目が覚めたとき、いつもは朝寝坊なジェダイが胎内で激しく動いていたときの直前、実は彼の夢を見ていた。駅で大きく手を広げてハグする体勢で、そこで夢から覚めた気がする。既に現実の夢は覚めてしまっているのだから、せめて非現実の夢だけでも見ることを許してほしいのにと、その後は涙がいっぱいに溢れた。
私はこの先、彼とのいい思い出のなかでジェダイを愛して、育てていければいいと思っていた。だから彼にコンタクトを取り、その反応次第でその夢が壊されていくかもしれないことを危惧し、彼には真実を知ってもらわなければという思いと同時に、できることならそれを避けられたらと思っていた。
彼への思いを完全に断ち切った、割り切っていたといえば嘘になる。ただ納得させなければ、時間が経てば、きっとまた新しい恋をして、清らかな思い出になるだろうと思っていた。これまでの恋愛と同じように。
でもきっと私は、これからジェダイが生まれてきて、嫌でも彼を忘れることができないだろう。過去の記憶に縛られて生きたとしても、自分では最悪それでもいい。
でももし、彼を憎むようになって、この先その憎悪をジェダイに向けてしまうかもしれないことを思うと、彼にどんなことを言われても彼を許し、決して恨んだり憎んだりしたくはないのだ。
このあまりにも愚か過ぎる自分が本当に嫌になる。そしてその気持ちに拍車をかけるように、今夜もまた孤高の列車に身を任せなければならない悲しさ。カバンを肩にかけ直し、空いた席に座ろうとした瞬間、さっと割り込む若者。なんだか集団でいじめられているような気分になって、人目もはばからず悔しくて、やりきれなくて大粒の涙をこぼす。
そして今日初めて気づいたけれど、涙のかたちや大きさって、その理由で結構違うもんなんだ。足元に滴る涙を見ながらそんなことを思って、つり革に身を委ねて、今日も満員電車に揺られて帰った。
昨日自宅でたっぷり休養させてもらったおかげで、今日の体調はすこぶるよかった。昨日のぶんも挽回しなければならないので、いつもより早めに出社して、順調に仕事もこなしていく。そんなときは、気力がとてもみなぎっていて集中力も高まり、仕事の効率もよい。というか、今日は仕事によって、随分と私の精神力は支えられたと言っていい。
彼と昨日の続きを話すものの、話がまったく噛み合っていないことを実感。その間にある、言葉の壁、時間の壁というのは、日本-イスラエル間という物理的な距離の何倍も大きい。噛み合わない会話の数々に悲しみ以上に「あぁこんなにも遠いんだ」って、途方に暮れる気持ちのほうが強かった。
彼のほうは「なんで今まで気づかないんだ。あり得ない。一人の女性としてどうかと思う」とただ一方的に非難。えぇもちろん、それは事実、否定も反論もしないけれど、今それを言っても物事はなにも先へは進まないのだ。父親が医者で、27になってもいまだ両親から独立せずに常に親の加護を受け生きている彼には、信じられないことだろう。そして働き者でギリギリのところまで無理をしてでも責任を果たそうとする、日本人の美徳なんて、1年の1/3はバカンスのフランス人には理解できないだろう。
パパが遠いところに居て、胎内を出た後も一生父親に抱きしめてもらうことができないかもしれないジェダイのために、先週産院でもらった超音波の彼の写真とパパの写真を一緒に持ち歩いている。他人から見たらバカげた空事かもしれないけれど、今の私にはそれぐらいのことしかしてあげられない。
書くのを忘れたけれど、こないだ目が覚めたとき、いつもは朝寝坊なジェダイが胎内で激しく動いていたときの直前、実は彼の夢を見ていた。駅で大きく手を広げてハグする体勢で、そこで夢から覚めた気がする。既に現実の夢は覚めてしまっているのだから、せめて非現実の夢だけでも見ることを許してほしいのにと、その後は涙がいっぱいに溢れた。
私はこの先、彼とのいい思い出のなかでジェダイを愛して、育てていければいいと思っていた。だから彼にコンタクトを取り、その反応次第でその夢が壊されていくかもしれないことを危惧し、彼には真実を知ってもらわなければという思いと同時に、できることならそれを避けられたらと思っていた。
彼への思いを完全に断ち切った、割り切っていたといえば嘘になる。ただ納得させなければ、時間が経てば、きっとまた新しい恋をして、清らかな思い出になるだろうと思っていた。これまでの恋愛と同じように。
でもきっと私は、これからジェダイが生まれてきて、嫌でも彼を忘れることができないだろう。過去の記憶に縛られて生きたとしても、自分では最悪それでもいい。
でももし、彼を憎むようになって、この先その憎悪をジェダイに向けてしまうかもしれないことを思うと、彼にどんなことを言われても彼を許し、決して恨んだり憎んだりしたくはないのだ。
このあまりにも愚か過ぎる自分が本当に嫌になる。そしてその気持ちに拍車をかけるように、今夜もまた孤高の列車に身を任せなければならない悲しさ。カバンを肩にかけ直し、空いた席に座ろうとした瞬間、さっと割り込む若者。なんだか集団でいじめられているような気分になって、人目もはばからず悔しくて、やりきれなくて大粒の涙をこぼす。
そして今日初めて気づいたけれど、涙のかたちや大きさって、その理由で結構違うもんなんだ。足元に滴る涙を見ながらそんなことを思って、つり革に身を委ねて、今日も満員電車に揺られて帰った。
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