mardi, juin 27, 2006

Je me sens la force de Jedi!

「ジェダイのフォースを感じるの!」

今朝は目覚めるや否や激しい胎動を感じる。いつもは朝寝坊な我が子のはずなのに、今朝は「どうした?」ってぐらいに激しく動いた。

昨夜は実は職場の同僚と夕食を食べに行って、やっぱり食後に気分が悪くなり、またしても気を失いかける。自分でも血の気が引いていくのははっきりわかる。そして復調してもすごい冷や汗。友達をちょっとびっくりさせてしまったかな。

日本に帰国して、本当はいろいろ会いたい人、連絡を取りたい人がいっぱいなんだけれど、やっぱりずっと体調が悪かったので、特に食後に具合が悪くなることが多かったので、友達と食事に出かけることを躊躇していた。それこそ、外で仕事中にお腹が空いても、コンビニとかで何か買ってきたものをその場で食べることでさえためらわれたぐらい。いつ具合が悪くなるかわからないと不安があって、でも自宅で食事を摂るなら、具合が悪くなってもそのまま横になれば大丈夫だしって、外でお腹が空いてもとりあえずその場は飴とかチョコとかキャラメルとかでごまかして、なるべく家でご飯を食べるようにしていた。

でも元来、人と一緒に食事をするのが大好きな私。そしてフランス生活、各地を旅行した話、実はもう話したいことがたくさんに積もり過ぎている。昨夜は友達と一緒に久しぶりに食事をして、ちょっと調子に乗り過ぎてしまったかも。とにかくおしゃべりがとまらない。現在既に妊娠末期に入ったところの私の身体は、じっとしていても息切れや動悸が激しいというのに、しゃべるしゃべる。で、やっぱり果てる……。

あぁまたやってしまった……と自己嫌悪。まぁそれが私と言えばそうなんだけれど、今や私自身はひとりの身体じゃないことを忘れちゃいけないのに。

その後、帰宅途中にあまり胎動を感じずに、著しい不安に駆られる。つい数日前までは、お腹のなかの異変を感じることが不安だったのに、今やすっかりその逆。地下鉄の中でも30分ぐらいの道のりを、やはり誰も私を7ヶ月の妊婦と思う人はいないようで、ずっと立ちっぱなし。あぁ、プレスバッチみたいに「妊婦バッチ」ってあったらいいのに……と考えながらも、まぁいざとなったら「私、妊婦です!席譲りやがれ!」って印籠差し出すいみたいに叫んでやればいいやって思ったり。

帰宅後、ソファの上に横になると、いつもの胎動を感じてひと安心。

ところで昨日は、区民事務所にさっそく母子手帳なるものを取りに行く。私にとっては人生の一大事だというのに、行ってみれば「妊娠届け」なる薄っぺらい紙切れに、住所とか予定日とかちょこちょこっと書いて、区長宛てにサインして出すだけ。内心「区長がこれ見るわけでもないのにな」とかって思ったり。それと引き換えに、職員から「母と子の保健バッグ」という代物を受け取る。中には、母子手帳と、区が補助してくれる各種無料検査券とか、あとは「母の心構え」みたいな小冊子とか。

職員の人に「中に妊娠検診無料券が二枚入っているんですが、1回目と2回目用がありますので間違えないようにしてください。間違われると無料になりませんので」って忠告を受ける。でも実は1回目の検診は23週目までに受けるもの。2回目は35週目まで。っていうか、私もう28週目なんだけど……って。なんだかこういうのを妙に事務的に無表情で言われるのって、ちょっとガッカリ。ま、対応する職員が出産経験のある女性なら、また違ったんだろうけれど。まぁ、それ専用の窓口ではないので仕方がないけれど、出産後にぜひ意見書を提出させていただくとしよう。

社会的にも妊婦となり、その足で編集部へ。もう28週なので、安定期とかそういうのもとっくに通り越しているので、まずは仕事関係にはちゃんと説明をしなければと、妊娠を公表。やはりみんなを本当にびっくりさせて、思ったとおり、どう反応していいのかわからないという人も居たりしたけれど、私自身はこれから生き抜いていかなければならない現実への不安をさておけば、まずは自分が重大な病気ではなかったこと、そして子供を授かったこと自体は素直に嬉しく感じているので、自分ではとても明るく報告できたと思っている。今まで気づかないなんて「バカじゃないの?」って言われたりもして、自分も自覚したりしているだけに少々傷つきもしたけれど、「いや~、胎動らしきものを最初に感じたときでさえも、旅先でなんか変なもの食べて、寄生虫とかいるのかな~? ピョン吉いるのかな?」なんて思っていた私だから、反論の余地なし。っていうか、我が子を寄生虫だのピョン吉扱いしていた母親なんて、最低だ。でも、どんなにバカであっても、これからの現実を生き抜いて行かなければならないのは私自身。人から何を言われても毅然と生きていかねばならないのだと、密かに心に誓っていた。

やっぱりみんなが口を揃えて言うことは、「ホントに今まで気づかなかったの?」ってこと。もちろん、今月に入って、胎動らしきものを感じたあたりから疑いは持っていたけれど、そういうのって本当に人それぞれだから。ふつうの生活をしていて、精神ともに穏やかなときだったら、こんな私でもさすがに「おかしいな」って思うのかもしれないけれど、この半年は本当にいろいろなことがあったから。何度も言うけれど、それなのに子供がここまで育ったってことは、やっぱり我が子の生命力には感服する。

ところで、これから経験していく、この偉大なるプロジェクト。この貴重な機会をぜひとも記録に残していこうと、このブログを書くことを決めたとき、タイトルをどうしようかと考えた。

で、結局決めたのは『La maman de Jedi』(ジェダイのママン)。最近結構気に入っていて聴いていたフランスのポップグループの曲に「Quand j'étais petit, j'étais un Jedi....(僕が小さいとき、ジェダイだった)」ってフレーズがあって、それがそのときループでたまたま流れて、なんかピンと来たのだ。

それまでは、自らを「子供のころはジェダイだったんだ!」と言ってしまうこの図々しいというかふてぶてしさが結構気に入っていたんだけれど、瞬間、あ、「私、お腹にジェダイ授かった!」って感じたのだ。

私のお腹のなかで、いったい何度飛行機で上昇下降を繰り返し、船に揺られたり、電車で酸素濃度の薄いスイスの山岳地帯に雪の中を歩かされたりしながらも、ちゃんと生きているその生命力はまさに「ジェダイのフォース級」と言っていいだろう。

それによく考えたら、チュニジアにも一緒に行って、サハラ砂漠をラクダに乗って揺られたり、なんとスター・ウォーズのロケ地へも行っている。大人でもそんななかなか行かないところに、胎児の段階で既に行っている子なんて、なかなかいないだろう。

そんなわけで私は今、ジェダイを身ごもっているのだ。
ルークかレイア姫かわからないけれど、ダークサイドに堕ちないよう、真の英雄になれるようしっかり育てなくっちゃ。