jeudi, juillet 20, 2006

La vie n'est pas aux pièces.

『人生は出来高払いじゃない』

今朝は3回目の検診へ。急患があったのか、往診が遅れているらしく、30分ほど待たされる。今朝もなんとなく調子が悪くて、病院までの家から20分ほどの道のりを結構、フラフラになりながら辿り着く。

今回は、まずは前回の検査結果の説明を受ける。風疹血清のみ、規定値の2倍でギリギリセーフだったけれど、あとはすべて問題なしの結果に、とりあえずほっと胸をなでおろす。HIVの抗体検査なんて考えもしなかったけれど、これだけは検査結果を別紙で親展で目の前で開封するので、心当たりはなくても案外緊張するもの。

体重は2週間でちょうど+1キロと順調。ただしやっぱり血圧が低いとのことで、ここ数日、電車のなかで意識を失いそうになったことなどを話すと、やはりお腹の赤ちゃんが大きくなってきているせいで、臓器が圧迫され、うっ血状態になっているせいだとのこと。血液が通常のように送り出されないため、急に立ち上がったりするとめまいを感じたりするらしいので、気を失って転倒するのを避けるために、姿勢にかかわらずなるべく手すりにつかまったりして、注意するようにと言われる。

あとは、超音波検査と触診で「低地胎盤」と診断される。要するに胎盤の位置が低いらしく、分娩時に出血の可能性が高いそうだ。これから子宮が多少ひっぱられるので、それによって胎盤の位置が上がることを期待しましょうとのことだったけれど、先生の口ぶりでは自然分娩はちょっと難しそうだ。あとは、子宮口も閉じてはいるものの、柔らかくなっているらしく、張り止めの薬を処方してもらうことに。

最後に超音波検査で、今日は初めてジェダイの顔を見る。3Dのエコー写真ではないので、ちょっとわかりにくいけれど、目鼻口をはっきり確認。推定体重は1.7キロと2週間で+200グラム増加。心臓もしっかり動いていて(ミジンコを顕微鏡で見るのにちょっと似ている)、赤ちゃんに関しては今のところ異常なし。モノクロの二次元の写真じゃわかりにくいけれど、私の子供にしては堀が深い気がするのは、思いすぎだろうか。

それから先生に「性別は……どうされます?」と訊かれる。多分訊いたほうがいいのだろうけれど、心の準備をしていなかったので、次回以降まで返事は保留に。男女どちらでもいいと思ってはいるし、自分でもなんとなく母親の勘でわかっているくせに、いざ訊くとなるとやっぱり躊躇するもので、とても不思議な心理だ。

それにしても、自然分娩ではなくなるかもしれないと聞いて、案外思ったよりも動揺するものだ。今まで無痛分娩にするかどうかで迷ってはいたけれど、帝王切開のことは考えてもいなかったから。帝王切開で出産する人なんてたくさんいるし、身体にメスを入れること自体には抵抗はないのだけれど、やはり誰だってふつうに出産できることを望むものなのだ。調べてみると、「低地胎盤」や「前置胎盤」というのは、子供よりも母体への危険が高いらしい。医師はプロだから、よりリスクの少ない分娩方法を選ぶのがふつうだし、そう思うと、素直にそれを受け入れようと思うけど、やっぱりほんのちょっと動揺してしまったのは、否定できない。と同時に、今まではジェダイのことを第一に考えて頑張ってきたけれど、産む側、自分の身体にももっと気を遣うべきだと実感した。ただし、本当に危険な状態なら、即入院ということになるだろうし、さしあたっての生活の仕方を訊ねると「そうですね。むしろ安静にしていたほうが」とのことで、一瞬何に対して「むしろ」と言われているんだろう? と思ったけれど、言わずもがなそれは、この時期、適度な運動が必要とも言うけれど、それに対してということであって、「絶対安静」とまでは言われなかったので、それほど心配しすぎることでもないのだろう。ただ、つい先日、「前置胎盤」と診断された、秋篠宮妃の「赤ちゃんのためにできることは安静にしていることなのですね」という言葉が自分のなかで何度も頭をよぎった。

帰宅して食事を取り、張り止めの薬を服用する。しばらく苦しくて、ソファの上で悶えていたのだけれど、薬が効いてきたのか、2時間ぐらいで楽になり、いつの間にか眠っていた。起きると、お腹の張りがだいぶん引いてきていて、やっぱり相当にお腹が張っていたんだと認識。張り止めの薬は、動機やめまいを引き起こすかもしれないと説明を受けていたけれど、今のところ、副作用も感じていない。それより、ここ2,3日、息苦しくて実はあまり眠れなかったのだけれど、ひさびさにぐっすり寝てスッキリした気分。薬そのものの効果もあるだろうけれど、やっぱり先生にいろいろ話を聞いて、納得できたのがいちばんの効果。「病は気から」というけれど、初めての妊娠で、個人差が大きいものだし、やっぱりさすがの私でも実は不安でいっぱいなんだなって思う。人からは精神的に強いと言われることが多いけれど、それもよしあしだと思う。時には自分に対しても人に対しても甘えられるってことも大切なんだって、妊娠して初めて思った。そういう意味では、「弱さ」も実はちょっとした「強さ」のひとつだって。そして、赤ちゃんが泣いて何かを訴えるのも、きっと生きていくために必要な本能的に授かった「強さ」なんだろう。