vendredi, juillet 14, 2006

Le monde ne serait pas une unité?

『世界はひとつにならないのか?』

今朝は変な夢を見て目が覚めた。

パキスタン人とのハーフという男性が現れて、しばらくストーカー的行為に悩まされるのだけれど、その人はジェダイも含めて、私のすべてを好きになってくれたことがわかり、次第に心を開き始めるのだけれど、最後に「でも私はどうしても忘れることができない人がいるの」という台詞で終わるのだ。

目が覚めて、「あぁ私は一生彼のことを忘れることはできないのだろうなぁ」って思った。この先どうなるかはわからないけれど。ジェダイが居る限り。

今までだったら、どうしても忘れられない人や出来事というのを、時には場所を変えたりして、そして新しい出会いによって塗りつぶしていくように、自分の心から消去していった。そしてやがてそれらは、過去のいい思い出か、振り返ってはならない過去として、自分のなかでなんとなく消化をしてきていたように思う。多分、他の誰もと同じように。

でも今回は、そんなふうにはいかないんだと思うと、悲しくて涙が溢れ、その行き止まり感にどうしようもなさを感じて、やがてそれは嗚咽に変わっていった。

一時的に連絡を絶つ一方で、素直に彼に会いたいと思った。ちょっと前までは、7月に入ってBフレッツが回線したら、ウェブカメラで話をしようねと言っていたところだったし、9月には彼の国に行って、会えるはずだった。

折りしも、わが国のプライム・ミニスターは中東を訪問中で、テレビでエルサレムの映像を目にするたびに、「私が代わりに行くのに」って思ったりもした。ホロコーストの犠牲者を祭った記念館に花束を持って訪れている小泉さんを見て、あぁ私もいつかその場所にジェダイを連れていかなければならないと思った。アウシュビッツの悲劇なんて、昔は遠い国の歴史上の過去の出来事だと思っていたのに。

彼と一緒に過ごしていたときも、民族問題の話になると、私には語る言葉がなかった。頭では一生懸命に理解をしようと、私なりに調べたりして勉強もしたけれど、やはり今も心では理解することができていない。アイヌを除き、単一民族国家と呼ばれる国に生まれ育ち、迫害や外国からの侵略でさえも歴史上経験したことのない国の血を引く私にとっては、その心象に決定的に近づくことができない。

だけどこの先、ジェダイがアイデンティティーという自我を持つ年頃になったとき、私は母としてそれに答えてあげなければならないのだ。

リール時代の友人で、兄弟のように(彼のほうが年下だが、先日彼からは「妹のように思ってる」と言われてしまった)仲のよかった男友達がいるのだけれど、彼は私の妊娠がわかる前に話したとき「僕はいつになったらフランス人と言えるのだろう?」という、彼ならではの苦悩が語られた。

彼は母親がポーランド人とイタリア人のハーフで、フランス人の父親の血を引く、国籍上はフランス人だ。前々から、多様な文化を受け入れる彼の人格はそうしたルーツにあるのかもなぁと感じてはいたけれど、思わぬ告白に、どう答えるべきか、少し迷った。

「あなたがフランス人だと思っている限り、紛れもなくあなたはフランス人じゃないの?」

人によっては無責任な答えに取られてしまうかもしれないが、私にはそんなふうな言葉以外に見つからなかった。

そんな彼だから、私がジェダイの存在を知ったとき、すぐに彼にはいろいろな相談をした。というのも、ほんの少し、ジェダイと境遇が似ているぶん、彼なりの考えやアドバイスを聞けると思ったから。

当初私がいちばん悩んでいたことは、ジェダイが自分の出生の事情が世間一般とは少し外れてしまうことで、母や父を恨みはしないかということだった。でもその友達が、お母さんのことをとても愛しているし、大切にしていることを前々から知っているし、その後彼が私にかけてくれた言葉の数々に、私は責任は重いながらも頑張ってジェダイを育てていこうと固く決意できたのだ。

でも、その友達ともうひとりよくつるんでいたイスラム系の友達の話になって、私と彼のことを話したら「『あぁやっぱりユダヤ人だ』って言うと思うよ」と言われて、本当に心苦しい思いだった。