dimanche, juillet 16, 2006

Allons à la fête!

『祭りへ行こう!』

今朝の再配達で、待望の扇風機が届いた。やっぱり冷房の冷たい空気よりも、爽やかな自然風のほうがいい。今日の東京のお天気は曇りがちで、それほど暑くはないけれど、じめじめとした空気をかき回してもくれる扇風機は、この夏、予想以上に大活躍してくれるかもしれない。

「ジェダイのパパに会いたい」と、ここで打ち明けたその翌日、ネットで久しぶりに彼と会話した。数日前に送ったメールはちゃんと読んでくれているようだけど、「まだ返事をしていない」とのこと。今までと変わりない他愛もない会話から話が“核心”に掠り始めると、私たちは途端に言葉を失う。お互いに何を話していいのかわからない。おそらく、しばらくはそんな状態が続くだろう。でも筆不精な彼だけど、返事を返そうという意思があることがわかっただけでもよかった。

昨日は、日本でバカンス中のフランス人の友達を靖国神社の「みたままつり」に案内した。前日に行った友達からは、人多すぎで身動き取れない状態だし、将棋倒しにでもなったら危ないから、妊婦にはお勧めできないと言われていたけれど、約束もしてしまったし、相手にも私が妊娠していることは説明してあったので、最悪、とっとと引き上げればいいやと思って、出かけてみる(まぁ、それでなくても根性なしのフランス人はこっちが言い出すよりも前に、人ごみと暑さに挫折してしまうとは思っていたけれど)。

待ち合わせの前に、編集部へ少し立ち寄る。休日なのでもちろん誰も居なかったけど(安心した……)、請求書を提出して、マタニティー用の洋服を譲ってくれると言ってくれたデザイナーさんの席に寄って、荷物をピックアップ。いただいたものは、ふつうの洋服でマタニティーにもなるという大きめのサイズのものだったけれど、さすがはデザイナーさんのお洋服なので、センスがいい。ただでさえ、まだ完全には引越しも終わっていなくって、バタバタとして洋服を買いに行く暇もこれまでなくて、着るものに大変困っていた挙句に、妊娠発覚。本当にありがたいお話。これでこの夏は、こないだ買ったものと合わせて、外出着も十分に足りるだろう。夏だから、汗もかくし、数枚の着まわしだと洗濯も大変だったので、家事も大分楽になりそう。

九段下の駅前で待ち合わせて、さっそく靖国神社へ。早めの時間帯だったせいか、人出は大したこともなく、かと言って閑散としているわけでもなく、ほどよい祭りの賑わいを感じさせる程度だった。屋台や見世物小屋、日本舞踊、邦楽の演奏会などを見物しながら、境内をぶらりと二時間ほど。あまりの暑さに、途中食べた久々のかき氷は、身体に悪そうだけど、思わずどぎつい色したシロップを掛け放題でたっぷりと。

それから、近くのファミレスでしばらく避暑。日が暮れ始めたあたりから、神輿が始まり、盆踊り、阿波踊り、なぜか「青森ねぶた」を見たりして、日本の夏の風物詩をフランスからの旅人に紹介しながら、堪能する。

お祭りのもうひとつの醍醐味といえば、屋台。いくら暑くても食欲を誘う、あの雰囲気は本当に不思議だ。でも妊婦である今は、やはりそれらに思う存分に手が出せないのが残念。ミニサイズのお好み焼きをひとつと、友達が食べていたやきとりを少しだけ分けてもらって食べた。あといちばん困ったのが実は飲み物。うっかりしていて、水を持参するのを忘れていて、屋台でなにか買おうと思ったけれど、アルコールとカフェイン系飲料はパス。あとはコーラとか、糖分の多そうなジュースとかで、なぜかミネラルウォーターが売っていなかったので、とりあえずその場は我慢することに。でも本当はもちろん、ビールがいちばん飲みたかったのだけれど。

お囃子の音を聞きながら、石畳の境内を歩いているとき、「あぁ来年はジェダイと一緒かな」とかって考えていた。いや、今年も一緒なんだけれど。そんなジェダイは、時々お腹のなかで、めいっぱいお囃子を立てていた。

前日はちょうど、フランスは「革命記念日」。シャンゼリゼを戦車がパレードする映像をネットのテレビでずっと見ていた。あぁ、去年も一昨年もこれに参加していたんだなって思いながら、約2年というフランスでの日々に思いを馳せて。果たして私にとって、その2年というのは長かったのか、短かったのか。でも今は、ジェダイという存在により、それは完結ではなく、継続の日々に変わったのだ。