vendredi, juillet 07, 2006

Chères les enfants au 21ème siècle...

『21世紀の子供たちへ』

朝目覚めてまずは、W杯で青軍団が勝利、決勝進出のニュースを知る。これは素直にちょっと興奮。背水の陣という感じで予選もやっと突破したような、それこそその望みの薄さは、ブラジル戦を前にした日本と同じような状況だったのに、なんたる躍進。決勝進出しても一戦目の対戦相手が優勝最有力候補のブラジルで、「ま、決勝進めただけでもいっかー」って感じだったのに。野球派な私は、今までサッカーなんて興味なかったのに(それでも在仏時は野球文化というのがまったくないので、現地では強制的にサッカーやテニスにも興味を持つようにはなったけれど)、フランスチームの勝利にこんなに喜んでいる自分にちょっと驚く。いやいやこれはきっと私のなかのもうひとつの命、半分は本物のラテンの血が混ざった命のせいかも。

昨日は午前中から、29週目にして2度目の産院。これまでの遅れを取り戻すべく、一度にたくさんの検査を受けなければならなくて、行く前は内心意気込んでいたけれど、よくよく考えたら、検査と言っても基本的には採血と検尿を使いまわして行われるので、自分がやることってそれぐらい。あとは検査薬とかをそれぞれ使って調べるだけの話だ。

とはいえ、検査は貧血の検査、各種感染症など、本当にたくさんあって、先日初めて駆け込んだときは、「陽性です」って言われたことよりも、妊娠から出産までにやらなければならないことの多さのほうに動揺した。そして妊娠、出産は保健がきかないので、それなりに費用もかかる。ひとつひとつはだいたい1000円ぐらいから5000円程度なのだけれど、それらを一度にとなるとやっぱりあっという間にお財布から万札が消えていく。妊娠登録をした時点で、母子手帳と一緒に検査無料券が区から配布されるのだが、23週で行われる梅毒とか3種類の検査が無料になる券が、その週を過ぎているともう利用できないらしく、自己負担。「がーん、これで7~8000円は浮いたのか……」とかって一瞬思ったけれど、まぁ今の今まで通院していなかったのでそのぶんの診察料(うちの病院だと1回4000円)が浮いてるから、±ゼロになるか、下手したら経済的だったかもなぁ……などと、親思いなジェダイを愛しく思うバカ母。

なにはともあれ、結果は2週間後なので、まだなんとも言えないけれど、すぐに結果が出た貧血検査は問題なし。超音波による検査でも、胎児も順調に育っているらしい(もう1.5キロもあるらしい)。先日ちょっとお腹が張ったということを話したら早産を心配されたけれど、産道が短くなっていたり開いたりしたりっていうのもとりあえず大丈夫とのこと。まわりからしきりに重いものとか持っちゃダメだよって注意されるけれど、「あぁそうか、重いものもつとお腹に力入っちゃったりしてイキんじゃって、お産を早めてしまうかもしれないんだ」って、初めてその理由を自覚する。体重は2週間前より少し減っていたけれど、妊娠後期というのは体重はそんなに増加しなくなるらしいし、異常な体重増加は妊娠中毒症のおそれがあって、かえって危険らしい。それにしても、2週間で明らかにお腹も大きくなったのに、体重が減ってるなんて、相当ジェダイに栄養摂られてるんだなって思う。確かにお腹以外、特に腕とかがすごく細くなってしまった気がする。

次回まだ少し検査が残っているけれど、とりあえず私としては第一関門突破。というのも、実は私は「採血」が本当に苦手で、恥ずかしい話だけれど、これが嫌で会社の健康診断も密かに欠席していたほど。でも今日は先生に「今まで採血で気分が悪くなったりしたことはないですか?」って事前に聞かれて、「あります。実はとっても苦手でちょっと心配なんです」と正直に申告したところ、「それじゃ、横になったままやりましょう」と言ってもらって、診察台に横になって採血してもらった。予想どおり、しばらく気分が悪くなり、その後の超音波検査のときも、横向きの姿勢のままやってもらうことに。モニター越しに元気なジェダイを確認して、ほっとして気が抜けたのもあってまた気分が悪くなり、診察後もそのまましばらく横にならせてもらった。

受付で帰りにお金を払うときに、いろいろと本をもらったりして、改めてママになることを自覚。そういえば、分娩予約金を払うつもりでお金を用意してきていたのだけれど、請求されなかった。今回検査代で随分払ったから、そのへん気を遣ってくれたのかな?? っていうか、お財布にお金がそうやって残ってしまうと、ついつい無駄遣いしてしまいがちなので、こっちから申告して払っておけばよかった。う~ん、お財布に残った現金は封筒に入れて、次回までしまっておくほうがいいかも。

午後からは昨日会えなかったお友達が家まで遊びに来てくれる。彼女には東京で家探ししている間にもしばらく居候させてもらったり、本当にお世話になりっぱなし。引越しを済ませた後もずっと家に招待したかったのだけれど、なかなか落ち着かなくて7月に入ってからと思っていたのをこんなかたちで。なんだかんだで1ヶ月ぐらいは結局会えていなかった。

彼女によると駅で待っている間、私がどんな表情でやってくるかちょっと気がかりであったらしい。でも目の前にすっかり見違える(!)妊婦姿で現れた私は、本当にいつものとおりで安心したと言ってくれた。彼女は私がいつでも子供は産めたら産みたいと前から打ち明けていた数少ない友達のひとりだ。妊娠の報告をしたときも第一声が「おめでとう!」で、こちらのほうがなんと答えていいかわからなかったぐらい。

それから、そのビッグサプライズの報告を受けて、彼女の旦那さんのほうが動揺してたとかって、なんだかちょっとおもしろい。そう、本当にお騒がせな私に対する周囲の反応は、おもしろいほどにタイプが分かれていて、男性でしかも子供を持っていない人がいちばんどう反応していいか困っている様子。でも、女の子はちょっと違う。それってやっぱり女性の本能であり、根本的な強さの表れだと思う。

昨日来てくれた友達も、これから妊娠、出産と続いていく女性。母になることの喜び、期待、そして現実、重圧、思いの丈を私なりに話せたと思う。

私自身は、人生には人それぞれいろんな選択があると考えているので、「女性として生まれてきたから絶対子供を産むべきだ」とは思わない。要はそういう選択肢が与えられているということをもっともっと正面から意識して考えていくことが大切なのであって、状況が変わることを恐れないでほしいというのが、今の私が言えること。

21世紀なんだから、人はもっともっと多様に生きてもいいと思う。
これから産まれてくるジェダイにもそんなふうに生きてほしい。