ジェダイ誕生物語 ~産院の中心で痛いと叫ぶ~
日付が変わった午前1:00過ぎ、一度目のナースコールを鳴らす。生まれて初めてのナースコール。実はちょっと憧れだった。
そのころ、陣痛の程度は痛いけれども、まだ死にそうなレベルではない。でも間隔が相当に短くもなってきているし、「結構、痛くなってきているし、どうなんですか?」と助産婦さんを呼ぶ。助産婦さんはさっそく子宮口を確認したけれど、その時点ではまだまだ指一本分、後方にやっと確認できる程度で「まだまだ時間がかかるわよ~。ほら全然だもの」と言って、とりあえず胎児の心電図を取った。昼間も経験したけれど、心電図を取っている間は、身動きができず、陣痛と二重の苦しみ。
30~40分ほどして、助産婦さんが戻ったときには、既に「イ~タ~イィィ~」と大声で叫んでいた。自分としても少々大げさに叫んでいたのだが、叫ぶことで痛みを解消する効果を感じていたので、思う存分叫ぶことにした。ただ助産婦さんのほうは、私が相当苦しんでいるように感じたらしく「出産はね、痛いものだから仕方ないのよ」などと、私にしてみれば内心、「なに言ってんだ、いまさら!」と、心優しい励ましでさえ、その期に及んで疎ましく思え、「あー、これだから年いった助産婦さんは嫌だなー。昼間の若い人のほうがよかったなぁ」と思っていた。とはいえ、その時点でもまだ理性は保たれていて、「すみません、少し静かにしててもらえませんか?」と丁寧にのたまい、さらに助産婦さんは「テレビももう少し静かな番組にしたほうがいいんじゃないの?」と勧めるも、「いつも観てますから」と、最後までバラエティー番組をつけっ放しにしていた。さらに痛がる私の背中をさすってくれた助産婦さんだったが、実はしんどいながらにも自分で加減をしながらのほうがよっぽど痛みが和らぎ、「加減がよくないんでかえって痛いので結構です」と手を払いのける始末。腹の中では「うぜぇ~んだよ!」と叫んでいたのだが、いくら出産の極限状態で無礼講が許されるとはいえ、極力理性は保つように最後まで努力していた。
そして「もう好きにさせてあげよう」(助産婦さんの産後の談より)と、その場を立ち去ろうとした助産婦さんに対し、「あ、すみません。叫ぶと喉が渇くんで、そこのペットボトルに冷蔵庫の麦茶を足して、ベッド横に置いておいてもらえますか?」とお願いする。
その後はもう好き放題に叫びまくった。最初のうちは「痛~い」という本能的な叫びだったが、次第に自分なりに痛みを開放するための雄叫びを研究、開発し始める。意外に楽だったのは「ハァイぃ~」という叫び声。イントネーションは、ちょうどイクラちゃんと同じ感じで。助産婦さんに「まだまだ時間かかるから、う~んって息んじゃ絶対ダメよ。本番のときまでに裂けちゃうからね」と注意を受け、途中からは陣痛よりも息まなずに呼吸をするほうがむしろ苦しかったのだけれど、この叫びは意外と役に立った。日本語の基本でもあるこの言葉以外、例えばフランス語はどうなんだろう? とか考え始め、「ウィ~!」とか試しにやってみたが、こちらは息を吐くことをしないのであまり効果がなかった。
そんなふうに陣痛と格闘しながらも、陣痛の間隔はもう1分あるかないか程度になり、痛みのほうは自分的にはまだ極限には達していなかったけれど、これが朝まで続いてさらに痛みがこの先強まることを考えると、ちょっとしんどいな……と思い始める。そこで朝の時点で、可能であれば無痛分娩に切り替えてもらおうと決心。もう十分に痛みは味わい、ジェダイのために苦しんだし、今このレベルで耐えられているのだから、無痛にすれば多分これより苦痛が超えることはないだろうから、それならば楽勝だと考えたのだ。
そのころ、陣痛の程度は痛いけれども、まだ死にそうなレベルではない。でも間隔が相当に短くもなってきているし、「結構、痛くなってきているし、どうなんですか?」と助産婦さんを呼ぶ。助産婦さんはさっそく子宮口を確認したけれど、その時点ではまだまだ指一本分、後方にやっと確認できる程度で「まだまだ時間がかかるわよ~。ほら全然だもの」と言って、とりあえず胎児の心電図を取った。昼間も経験したけれど、心電図を取っている間は、身動きができず、陣痛と二重の苦しみ。
30~40分ほどして、助産婦さんが戻ったときには、既に「イ~タ~イィィ~」と大声で叫んでいた。自分としても少々大げさに叫んでいたのだが、叫ぶことで痛みを解消する効果を感じていたので、思う存分叫ぶことにした。ただ助産婦さんのほうは、私が相当苦しんでいるように感じたらしく「出産はね、痛いものだから仕方ないのよ」などと、私にしてみれば内心、「なに言ってんだ、いまさら!」と、心優しい励ましでさえ、その期に及んで疎ましく思え、「あー、これだから年いった助産婦さんは嫌だなー。昼間の若い人のほうがよかったなぁ」と思っていた。とはいえ、その時点でもまだ理性は保たれていて、「すみません、少し静かにしててもらえませんか?」と丁寧にのたまい、さらに助産婦さんは「テレビももう少し静かな番組にしたほうがいいんじゃないの?」と勧めるも、「いつも観てますから」と、最後までバラエティー番組をつけっ放しにしていた。さらに痛がる私の背中をさすってくれた助産婦さんだったが、実はしんどいながらにも自分で加減をしながらのほうがよっぽど痛みが和らぎ、「加減がよくないんでかえって痛いので結構です」と手を払いのける始末。腹の中では「うぜぇ~んだよ!」と叫んでいたのだが、いくら出産の極限状態で無礼講が許されるとはいえ、極力理性は保つように最後まで努力していた。
そして「もう好きにさせてあげよう」(助産婦さんの産後の談より)と、その場を立ち去ろうとした助産婦さんに対し、「あ、すみません。叫ぶと喉が渇くんで、そこのペットボトルに冷蔵庫の麦茶を足して、ベッド横に置いておいてもらえますか?」とお願いする。
その後はもう好き放題に叫びまくった。最初のうちは「痛~い」という本能的な叫びだったが、次第に自分なりに痛みを開放するための雄叫びを研究、開発し始める。意外に楽だったのは「ハァイぃ~」という叫び声。イントネーションは、ちょうどイクラちゃんと同じ感じで。助産婦さんに「まだまだ時間かかるから、う~んって息んじゃ絶対ダメよ。本番のときまでに裂けちゃうからね」と注意を受け、途中からは陣痛よりも息まなずに呼吸をするほうがむしろ苦しかったのだけれど、この叫びは意外と役に立った。日本語の基本でもあるこの言葉以外、例えばフランス語はどうなんだろう? とか考え始め、「ウィ~!」とか試しにやってみたが、こちらは息を吐くことをしないのであまり効果がなかった。
そんなふうに陣痛と格闘しながらも、陣痛の間隔はもう1分あるかないか程度になり、痛みのほうは自分的にはまだ極限には達していなかったけれど、これが朝まで続いてさらに痛みがこの先強まることを考えると、ちょっとしんどいな……と思い始める。そこで朝の時点で、可能であれば無痛分娩に切り替えてもらおうと決心。もう十分に痛みは味わい、ジェダイのために苦しんだし、今このレベルで耐えられているのだから、無痛にすれば多分これより苦痛が超えることはないだろうから、それならば楽勝だと考えたのだ。
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