samedi, septembre 30, 2006

ジェダイ誕生物語 ~入院へ~

事前に行き先は示してあったけれど、タクシーの運転手は目的地付近で道を通り過ぎたりして、ちょっと大回りされて病院まで辿り着いた。 破水した妊婦を乗せて道を間違えて焦る運転手に「あ、そんな一分一刻を争う状況じゃないので、慌てないでいいですよ。それより安全運転でお願いします」と冷静にのたまう。

8時40分ごろ、病院前到着。
診療時間は9時からなので、門が開いておらず、タクシーの中から再度病院に電話を入れる。しばらくすると受付の職員が出てきて、開錠。けれど、そのまま待っていてくれるわけでもなく、その人はそそくさと中へ引っ込む。

いつものように受付で母子手帳と診察券を提出し、トイレで尿を採取し提出した後、すぐに診察室に呼ばれる。いつものように子宮内の超音波や触診などの診察を終え、先生に「破水ってことで間違いないです。ご入院になります」と告げられる。本人的には、あれだけ尋常でない水が流れ、においも羊水そのものだし、100%破水に違いないとわかっていたけれど、なかには尿漏れを破水と勘違いして病院へ駆けつける妊婦さんも多いらしい。

診察の結果は「羊水もきれいですし、まだたっぷりとありますので、これから陣痛を待って出産ということになるかと思います」と説明を受ける。そして二日前の検診では、胎児の推定体重は2600グラムだったので「多分2500グラム前後でお生まれになると思いますが、ギリギリ未熟児というわけではないので、問題ないでしょう」と言われる。さらに子宮口の状態も2日前と同じ状況で、まだ閉じたままだそうだ。

診察を終えると、次は入院の準備へと引き渡され、そのまま上階の病棟へ案内される。本来、出産で入院する妊婦さんの病室は2回に用意されているのだけれど、まだ部屋が開いていないらしく、いったんは3階にある、それ以外の患者さんのための病室へ連れて行かれる。それからすぐに病院着に着替えさせられ、下着やら衛星用品やらの"入院セット"を受け取る。分娩までは、羊水対策におむつのような大き目のナプキンを当て、用を足した際は毎回消毒剤の染み込んだガーゼで殺菌を行う。破水した場合は、感染症に注意しなければならないので、シャワーを浴びたりするのは厳禁だ。

1時間ほどして、出産妊婦用の病室が開き、2階への部屋へ移動。3階の部屋も結構広かったけれど、こちらはさらに広い。バス・トイレ付の個室で、30平米ほど。ベッド以外は、まるでホテルのような設備だ。

その後、助産婦さんがやってきて、胎児の心音を図る機械を取り付けられ、30分から40分ほど身動きが取れない状態に。規則正しくリズミカルに刻む、胎内からの鼓動に静かに耳を傾け、昼食の配膳を待つ。